Artist Interview - Mayumi Yamase

Artist Interview - Mayumi Yamase
「生命」を抽象画で描く山瀬まゆみさん。 東京を拠点に活動し、最近ではナイキの最新作エアーフォース1とブレーザーロー’77というアイコニックなナイキのスニーカーをキャンバスに彼女しか生み出せない美しく洗練されたユニークな抽象画のデザインを施した。そんな今注目の芸術家、山瀬まゆみさんに貴重なお話を聞くことができました。
Q.なぜ、アーティストになろうと思いましたか?
 
M.母親がデザイナーで小さい頃から芸術が周りあって、自分も絵を描いたりするのは好きでした。でも自分がまさか芸術家になるとは思っていませんでしたね。
アートに真剣に取り組むようになったのは高校生になってからです。それまでは自分が何をしたいかはイマイチ分かってなかったです、遊んでばっかいましたし(笑)。
高校の美術の先生が私のアートのことをいつもすごくポジティブに励ましてくれて、「私のアートいいんだ」って自信が持てるようになりました。ある美術の授業で、白紙のキャンパスが配られ、なんでも好きな物を描いてといいという課題が渡されました。全員が描き終わった後に、自分の好きな絵に投票して批評会のようなディベイトをするというもので、私の絵は一番最後まで選ばれませんでした。でもあの時の、自由に意見を言い合う空間はとても私にとっては新鮮で楽しい時間でした。その授業の後も美術の先生が、「まゆの絵、いいよっ!」て褒めてくれてたんです。彼女の言葉がなかったら今アーティストの道にも進んでなかったと思います。また、その先生が美術大学に行くことも勧めてくれました。日本の美大受験には間に合わなかったので、その先生がイギリスのチェルシー卒だったりでロンドンに行くことに決めました。初めはファッション専攻してましたが、入学の際にファインアート専攻に変えました。
 
Q.今に至るまでいろんなチャレンジがあったと思いますが、一番辛かったの出来事は?
 
M. 日本に帰国した際に、やっぱり生活をしていかないといけない=お金を稼がないといけないという現実を目の当たりにしました。最初は絵を描くために、就職をした雑誌編集会社でライターとして働いていましたが、だんだん、そちらがメインで絵を描く時間もなくなり、最初の目的がわからなくなりました。会社で働くのも自分にはあっていなくてすぐにやめて、毎日忙しくフリーランスでライターや編集の仕事をしていて、お金を稼ぐのに必死すぎて、絵なんてどうでもよくなってしまった時期がありました。その時は自分自身が何なのかわからなくなった時でもあると思います。でも、一回個展をやる機会をいただいたのですが、その時はどん底で個展も本当にうまくいかなかったですね。苦い思い出です。
あとやっぱり、帰国した後しばらくどこか自分の中で反抗期があって、私は芸術ファインアートを学んできたからコマーシャルアート(商業的なこと)はしないみたいな。でもそこも自分と向き合うようになってアートはアートと納得いくようになり楽しくなりました。そこまで結構時間かかりましたけど(笑)
 
今はやっと仕事のバランスが逆転して、本来したかったアートの仕事で生活できるようになってきています。
 
 
Q.抽象画にした理由はありますか?
 
M.自分を表すのに自然に出てきたのが抽象画でしたね。
 
 
Q.アートを作る上で自分なりのルールはありますか?
 
M.楽しい気分な時しか描かないようにしてます。(笑)気分が乗らない時は、走ったり、メディテーションをしたりと自分を楽しい気分に持っていく工夫はしてます。
あと、イギリスとかでも自分の作品に対してしっかりコンセプトを言葉で表現することが求められていたので、そこをしっかりできるように、自分分析のような自分と向き合う時間はすごく大切にしていますね。
 
 
Q.アートを通して何を表現してることが多いですか?
M. 最初は自分でしたね。自分の精神的、肉体的な部分や、自分を作っているものに興味を持ってましたね。だから今は「生き物」、「生命」を表現するようになりました。
 
 
Q.インスピレーションはどこからもらってますか?
 
M.毎日の生活がインスピレーション源になってますね。どこかに行ったりというよりも、毎日の何気ないルーティンの中で見つけてアートとして表現していくのが楽しいですね。
 
Q. ナイキのデザインの仕事はどうでしたか?
 
M. とても刺激的で楽しかったです。世界的なブランドと仕事できるのは本当に緊張しましたが、1年半かけて出来上がった自分の作品がプリントされたシューズを手にした時は本当に感動しました。
 
Q.今アーティストとして活躍したと思っている人たちにアドバイスはありますか?
 
M.続けることが一番しんどいけれど、細々とやっていたらいつかチャンスが来るから、
続けていることが大事ですね。
 
 
Fast Five Questions!
1) 一番役立ったアドバイスは? 母がアニメーターで、”おもいっきり描きなさい”てよく言われていて、最初の一筆目というのはいつも緊張するけど、いつもこの言葉が背中を押してくれてます。
 
2) 一番ダメだったアドバイスは? 仕事を辞める時に、石の上にも三年だよとか、続けないと偉くなれないよとか言われて、それは自分にとってはあまり役立たなかったですかね。
 
3) 好きな色は? 原色が好きですね。
 
4) もし世界中の人が見るビルボードに自分を表現できるとしたら何を描く? 思いっきり色でビシャーンと表現したいね。
 
5) 今後の活動は? ちょっとお休みかな(笑)。 次はいろんなところで個展をやります。
 
UPCOMING EXHIBITION 2021.8.6 fri -9.6 mon
 
 
"HOW OBJECTS SPREAD and move forward" Mayumi Yamase Exhibition